20世紀最後の年ということで世の中が何かしら騒がしい。
私も今年は出張仕事が多くなりそうで落ち着きません。
ススの病(白血病)がいつ発症するか、と不安で、
できるだけ東京にいたいわけですが・・・。
3カ月前外出自由のフリーライフとなったター坊は、
朝、食事をしたら外へ出て、昼まで戻ってきません。
いや、夜、空腹になるまで外にいることもけっこうあります。
あんまり戻らないから心配になって探しに出ると、
何のことはない、
外庭の草の茂みに寝ていたりする。
だったら部屋に入ったら? と思うのだけれど、
これまでの外に出られなかった10年間を取り戻すためか、
あるいは室内にはススがいるせいか、
どうしても外で過ごしているほうが好きなようなのです。
飼い主は、
車に轢かれたんじゃないか、
けんかで傷を負って動けないんじゃないか、
どこかの車庫に入って出られなくなってるんじゃないか、
ヘンな人に虐待されているんじゃないか、
など、実にさまざまな不安に襲われ、
気が気じゃないって状態なんですけどね。
外庭の先の駐輪場にいた茶虎ノラとばっちし出会ったその瞬間。
もちろん、このあと大げんか。
もちろん、このあと大げんか。
マンションと隣のお寺の参道を区切る塀の上をのたのた歩くター坊。
どうも塀の突端まで行き、車がびゅんびゅん走る道路を見ていた様子。
どうも塀の突端まで行き、車がびゅんびゅん走る道路を見ていた様子。
一日中外にいるのであれだけの美毛もすっかり汚れた。
長毛ゆえ埃や塵が2倍3倍も付着するのです〜ぅ。
長毛ゆえ埃や塵が2倍3倍も付着するのです〜ぅ。
では、ススはどうしているか、と言うと。
暖かな昼間は外に、それ以外のときは部屋の中です。
ススが白血病のキャリアと判って以来、
他の猫への感染を恐れて外に出すのを控えていましたが、
彼の性格から他の猫との接触はないと思い、
お天気の良い日は朝からお昼あたりまで外に出します。
朝、食事の後、ター坊と共にススも部屋を出ます。
ターがエアコン室外機の上に乗るとススも乗ります。
何せ大好きな“おにいちゃん”のそばにいたいススなのです。
「にいちゃん、まだ寒いね」「だからナンだってんだよぅ」
と、しばらく我慢していたター坊でしたが、
「もうここまでよ」とばかりババーッと内庭を駆け抜けます。
外庭を走り回り、大木に駆け上りては駆け下る、を繰り返します。
さすがにそこでススは一歩引き、
内庭をぶらぶらと散歩します。
苔を舐めたり、トカゲを追いかけたり、
クチナシの植え込みの下で横になったりして過ごす。
外庭に人や他の猫の姿が見えると慌てて部屋に戻ってきます。
私が留守でガラス戸が閉まっているときは、
テラスのかつて自分が寝泊まりした白いチェストの中で過ごしているようです。
部屋の中でもあいかわらず人慣れできない弱虫ススですが、
カモちゃんが買ってきてくれたホットカーペットのおかげで、
私が寝そべると隣に来て(あくまでもひかえめに)、
自分もごろんごろんと寝そべるようになりました。
ぽかぽかなそこでは、
長い尻尾をぱたぱたさせて遊びに誘ったり、
ぐるるるるる〜♪と歌ったり、
オデコをゴンとぶつけてきたり、
などの積極的な行動ができるようでした。
おかげでたくさん撫でました。
ススの身体のベルベットのような感触を、
今のうちに手のひらにくっきりと刻み込もうという思いから。
“おにいちゃん”をつけ回しベッタリするので“おにいちゃん”は逃げていく。
ゆえに“おにいちゃん”の居場所は(カゴの中以外)ぜんぶススのものに。
この椅子もしかり。
ゆえに“おにいちゃん”の居場所は(カゴの中以外)ぜんぶススのものに。
この椅子もしかり。
恐がり屋のススもホットカーペットの上ではリラックスできるらしい。
一度だけ、お腹を見せて眠っていました。安心したんでしょうねー。
一度だけ、お腹を見せて眠っていました。安心したんでしょうねー。
と、まあ、ター坊の背中に不満マークが見え隠れするとはいえ、
今のところ2匹元気で1月も終盤へ突入。
寒い毎日ですが、冬の北海道へ3泊4日の出張です。
ススが風邪を引かないよう、この間は外出を控えて欲しいと願いながら
あとはカモちゃんに託すのみ。
以後はカモちゃんの猫留守日記。
1月29日(金)
午後7時過ぎ帰宅。2匹なのでさぞやウンチがと思っていると1コもない。拍子抜け。ご飯もきれいに食べてました。ターはまだ外に出たいとデモンストレーション。明日は東京も氷点下になるそうそうです。それでもタ−、やっぱりオンモに出るんだろうなあ。
1月30日(土)
朝7時半頃来たら、ターはさっそく外へ出たがるので出しました。ご飯の支度をしていてもススは私が怖いのか隠れたまま。下痢のウンチが一つあり。
夕方早く帰宅できたので、一度ウチに戻ってから来ようとしたら、外廊下に大猫発見! ターだ。廊下奥のヒトんちの脇へ入ろうとしていたので「ター!」と大声で呼ぶと振り向いた。こんなところまで進出していたとは。ター、私に注意され、残念そうに帰途につく。ススはあいかわらず姿が見えない。でも朝は外に出ていないし、ご飯はなくなっているので、部屋のどこかにいるらしい。ひとまず安心したが、夕方もすごい下痢のウンチがあるのでススのと思う。腹具合が心配になる。ほんとに姿のない影のような猫だ。
1月31日(日)
朝、ターは一目散に外へ。ススは初め姿がなかったが、やがて寝室でトンという音がして、見ると、襖の前にいた。けれど寝室から出てこようとしないので、ご飯をそばまで持っていくと、私が見ていないときにようやく食べた。
夜、7時。仕事から戻るとターは家の中。オバサン(管理人)が回収しておいてくれたらしい。ススはあいかわらず音も立てないけれど中にいるらしい。何はともあれもう一晩だからひと安心。
2月1日(月)
朝、遅めに来ると、もうオバサンがターを出してくれていた。ススはたぶん出ていない。この4日間、ススは一度も外に出ていません。
夜は仕事で遅くなって、来たのは9時前。ターはオバサンが回収してくれ、やはりススは姿がないが、2匹とも夜ご飯は済ませている様子。で、帰ろうとしたら、ススが出てきたのでビックリした。私を不思議そーに見ているので「大丈夫だよ、今夜は吉本ママが帰ってくるからね」と言い聞かせました。それにしても2匹ともこの間よく食べた−。テーブルにあった缶詰ぜ〜んぶ食べてしまいました。
ススが風邪を引いていなく、
この寒空の中ほとんど外にいたター坊も
風邪も引かずに無事だった。
良かった、と思うヒマなく翌週はカモちゃんの出張です。
久しぶりにカモ部屋の猫留守相務めます。
7階のカモ部屋を訪れたのは2カ月ぶりだろうか、
「フジオ、フジちゃん、フーちゃああん」と
大声出しながらドアを開けました。
出迎えに来た不死身のフジオ、わっ、大きくなっている。
怪我の痕跡も、もうは見あたらない。
すっかり元気な少年猫に成長・・・したのは結構なことなのでしたが、
部屋がすごいことになっていました。
カモちゃんの寝室の壁には、
壁紙の代わりに丈夫な和紙が貼られていた(もはや過去形)のです。
それが天井と上部以外のほとんどの面が、
もあもあと白く毛羽立つ不思議な空間となっていました。
モダンアートのインスタレーションと言ってもおかしくはないほどに。
どうしたのか、と思いましたが、
その上下に、
猫の爪痕が図柄のように付いていたので納得しました。
これはフジオが遊んだ跡だと。
その前住んでいたのは賢い淑女のグレでしたから問題なかった。
いくら爪に心地良い和紙であろうとここまで引っ掻くことはなかった。
しかしフジオはエネルギーに満ちあふれたガキ猫です。
こんなことが起きてもちっともヘンじゃない。
念のためベッドの脇で紐の先に鳥の羽の付いたグルグルを回すと、
フジオは気が触れたように追いかけ始めます。
グルグルがぐるぐるまわるとフジオもぐるぐるぐるぐると。
そのチェイスの輪は遠心力でもってしだいに上の方へ向かうのです。
猛烈な速さです。
遊園地でぐるぐる回る“遠心力マシン”のようなことになり、
だいたい私の背丈あたりの高さまでその輪は立ち上ってくるのであり、
あきれた私が「やめろっ」と言うまで続きました。
興奮しているフジオは私の足に絡みつきます。
それを払いながら壁を見れば、
もあもあの嵩がさらに膨らんでいるような・・・。
これは大変なことになったなあ、と人ごとながらため息が出ました。
元気あふれるフジオ少年。このとき生後半年くらいと思うがこの肢の大きさを見よ! のちに「猫のおすもうさん」と呼ばれる巨大猫となるのは、このときから約束されたことだったのだ! なお、フジオの周りで伏見稲荷の鳥居のように見えるのは数脚並んだ椅子の脚です。


